アレックス倶楽部>Geeドライブマップ |
|
|
清里と言えば、“のどかな牧場と草原”のイメージが強い。だがその一方で空気が綺麗で、年間を通じて晴天率が高いため、天文の観測地としても知られたエリアなのである。天文の愛好家が個人で設置する天文台も多く、周辺のホテルやペンションには天文台を備えたところも少なくない。隣町の野辺山には世界最大の電波望遠鏡を備えた国立天文台もある。ここは星に縁の濃い場所であり、宇宙の神秘を解く、最先端の観測スポットでもあるのだ。 もちろん景観は抜群。八ヶ岳の壮麗な姿を見渡せるのはもちろん、天候に恵まれれば南アルプスの峰々、そして富士山の姿も一望できる絶景エリアでもある。日常の喧騒から離れて、一息つくには絶好のドライブコースだ。 今回のドライブの主役は、この夏にフルモデルチェンジしたばかりのホンダ「ストリーム」。クーペのようなフォルムながら、3列シートを備えた5ナンバー。使う人の様々な用途を満たすモデルとして発表後、話題を呼んでいる。 イグニッションを回せば、まずエンジン音の静かさに驚かされる。室内は7人乗りとは思えない上質感。足元は広く、床はフラットで居住性がいい。今回は後ろの一列を倒してラゲージスペースを確保。そこに旅の荷物を載せてから少し径が小さくスポーティなステアリングを握りしめ、首都高から中央高速道路へと滑り込んでいく。 新型ストリームの特長はなんといっても走行性能と環境性能の融合。エンジンは新開発の「1.8リットル i-VTEC」。トルクと燃焼効率の二つを同時に向上させ、規定値14.8km/リットルを実現。「平成22年度燃費基準+10%レベル」を達成している。さらに排出ガスクリーン性能では「平成17年排出ガス基準75%低減レベル」の認定を受けている。使いやすさ、走行性能、環境性能と3拍子そろった理想的なミニバンだ。 |
||||||||||||
都心から約2時間。まだ少し靄がかかる清泉寮に到着する。清泉寮はアメリカ人、ポール・ラッシュ博士が、キリスト教精神に基づく指導者育成のための訓練所(キャンプ)として1938年に設立された施設。清里の象徴とも言える場所だ。朝靄から顔を覗かせた八ヶ岳連峰を見渡しながら、澄んだ山の空気を一杯に吸い込むと、標高1400メートルの高地にやって来た実感が湧いてくる。 しばらく休憩を取った後、次に向かったのは、俳優の柳生博さんがオーナーを務めることで知られる「八ヶ岳倶楽部」。もともと柳生さんがこの地にほれ込み、赤松林だった場所にご家族で30年に渡って手を入れ、現在の様々な木々が茂る雑木林にしていったそう。自然の素晴らしさを多くの人に見てもらおうと、89年にこのお店をオープン。レストランのテラスで陽光を浴びながら、7種類の果物が入った自慢のフルーツティをいただく。雄大に浮かぶ雲、木々の間から聞こえてくる様々な鳥の声。しばらく時間を忘れて、自然のなかに浸る。 清里を離れ少し足を伸ばす。県境を越え、野辺山へ。アップダウンとワインディングの続く道は高原ならではだが、そんな道でもストリームの走りはスムーズ。運転にストレスがない。走行時のオートロック機能だけでなく、停車して「P」レンジに入れた時のロック解除機能など細かい部分に工夫が見られる。また車庫入れ時に「R」レンジにシフトした時には、カーナビのモニターが後方カメラの映像を映し出す※など、気の利いた装備が運転をサポートしてくれる。(※メーカーオプション) 国内で最も標高の高い場所を走る高原鉄道「小海線」沿いに、ストリームを走らせながら訪れたのは国立天文台・野辺山宇宙電波観測所。この天文台には世界最大となる直径45mの巨大電波望遠鏡が設置され、視覚で捕らえられない天体の微細な動きを電波でキャッチ。星の誕生やブラックホールの正体を追う、世界的な宇宙観測の拠点のひとつだ。まさに宇宙の謎の解明に迫る最前線とも言うべき施設。巨大なアンテナが向いた広大な空を仰ぎ見れば、少しだけ宇宙に近づいたような思いに駆られる。 |
|||||||||||||
太陽が少し傾いてきた。先を急ぐ。天文台を見学すれば星の映像が見たくなるのは自然の成り行き。そこで全国でも珍しい写真のミュージアム、「清里フォトアートミュージアム」(K*MoPA ケイモパ)を目指す。星の話題を受けてかK*MoPAでもこの期間、宇宙の写真をテーマにした展示『はじめての宇宙の歩き方』が開催されているのだ。写真家、NASAの宇宙飛行士、天文学者、そして日本が誇るすばる望遠鏡の写真映像と、4つの視点を通じて宇宙を紹介するという魅力的な写真展。アポロ11号のアームストロング船長が人類で初めて月面に降り立ったあの歴史的な“一歩”の情景ほか、星の誕生や死滅の記録、写真家が独特の感性で切り取った地球と宇宙を繋ぐ幻想的なアート写真まで、貴重な写真の数々が並ぶ。すべての作品を見終えた時、日常の瑣末なことはすっかり頭から消え去り、ただ「宇宙の中に生きている自分」を感じていた。 夕闇が近づく頃、いよいよ本日のゴールとなる「清里高原ホテル」に到着。このホテルは八ヶ岳の麓に広がる美し森に隣接する、眺望が素晴らしいホテル。八ヶ岳、南アルプス、富士山と三方が見渡せる贅沢な景観の宿。総檜作りの温泉露天風呂でゆっくりと大パノラマを堪能した後は、いよいよ本日のメインイベントの始まりだ!じつはこのホテルには口径150mm径の天体望遠鏡を備えた天文台があり、毎夜、宿泊客のために「星空観望会」を開催しているのだ。宇宙を身近に感じるドライブの締めくくりはやっぱり清里の大自然が見せてくれる満天の星空。星明かりに込められた宇宙からのメッセージを紐解いてみることにしよう。 |
|
|