首都高速からアクアラインをくぐり抜け、木更津を南下していくと、通称“内房なぎさライン”と呼ばれる美しい海岸沿いの道路が続く。外海に面していないこの辺りの海は、波が少なく水面が鏡のようであることから「鏡ヶ浦」と呼ばれている。周辺には派手な看板のレストランや、場違いなペンションなどはほとんど見当たらない。また、海岸沿いには景色の良い場所に駐車場が点在しており、コーヒーを飲みながら海を眺めたり、潮の香りを楽しむこともできる。
快適なエスティマの走りを満喫しながら、最初の目的地・沖ノ島に到着。夏には海水浴場にもなるこの島は、もともとは無人島だったが、関東大震災で陸続きとなった場所だ。島の中央部はヤブニッケイやタブノキなどの自然林が残り、水辺ではイソギンチャクや貝などの動植物を観察することもできる。また、漂流物を探索する“ビーチコーミング”といった遊びも、家族連れや海水浴で訪れる人たちに人気が高い。一周約1kmという小さな島だが見所がたくさんあり、思わず童心に帰って時が経つのを忘れてしまうほどだ。 (※メーカーオプションとなります。)
房総半島の魅力は海だけではない。海岸沿いから少し外れると、ワインディングロードでのドライブも楽しむことができる。ワンボックスカーで走る山道は、足まわりが悪く、運転しづらいのではないか、という不安はこのクルマには当てはまらない。それどころか、カーブでもしなやかで安定した走りは、その車体の大きさをまったく感じさせないのである。加えて、シャフトのバランス率の見直しにより、ハードなパフォーマンス時でもエンジン音は非常に静か。このクルマの持つ最高レベルの居住性が体感できる瞬間だ。
次に我々が向かったのは、農家レストラン「百姓屋敷じろえむ」。養鶏業をメインに米や野菜などを有機農法で栽培していて、素材そのものが持つ本来の自然な味わいを活かした料理を堪能することができる。この知る人ぞ知る名店、メニューは季節によって変わるが、竃で炊いたご飯や産みたての卵など、どれもシンプルで都会では味わえない絶品ばかり。築300年以上という広い母屋での食事も雰囲気たっぷりだ。
食事の後は、さらに車を房総半島の先端まで進めて、房総フラワーラインへ。『日本の道百選』にも選ばれているこの場所は、ドライバーはもちろん同乗者にとっても飽きさせないルートだ。左右の窓からは、海と山をバックに美しい花を眺めることできる。
景色を堪能した後は帰路を残すのみ。1泊する予定ならまだしも、日帰りの場合は、帰りの運転は疲れが出てくるのが常だが、今回に限っては問題なし。広々とした車内では、長時間車に乗っていることによる疲労感や圧迫感はなく、シートの座り心地も抜群。日帰りのドライブには、走りの機能性はもちろんのこと、キャビンの快適さも重要だとつくづく感じた1日であった。
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